『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』感想。全力でホラーだけど甘酸っぱい青春映画【ネタバレなし】
作品情報
原題: | It |
監督: | アンドレス・ムシェッティ |
脚本: | チェイス・パーマー、キャリー・フクナガ、ゲイリー・ドーベルマン |
製作: | ロイ・リー、ダン・リン、セス・グラハム=スミス、デビッド・カッツェンバーグ、バルバラ・ムシェッティ |
制作総指揮: | デイブ・ノイスタッター、ウォルター・ハマダ、リチャード・ブレナー、トビー・エメリッヒ、マーティ・P・ユーイング、ダグ・デイビソン、ジョン・シルク、ニーハ・カイケンダール |
キャスト: | ジェイデン・リーバハー、ビル・スカルスガルド、フィン・ヴォルフハルト、ソフィア・リリス、ニコラス・ハミルトン、ジャック・ディラン・グラザー、ワイヤット・オレフ、ジェレミー・レイ・テイラー |
音楽: | ベンジャミン・ウォルフィッシュ |
上映時間: | 135分 |
ざっくりあらすじ
静かな田舎町で子どもの失踪事件が相次いで発生する中、ビルの弟も雨の日に行方不明になる。
ビルは悲しみに暮れながらも弟の生存を諦められずにいた。
不良少年に虐められている「負け犬たち」という名のビルの仲良しグループは、夏休みに入っても相変わらず虐められていた。
そんなある日、突然“それ”を目撃する。ピエロや絵画から飛び出る怪物などそれぞれが違った怪物と遭遇する恐怖を経験する。
それぞれが同じような恐怖体験をしていると知った「負け犬たち」は、みんなで“それ”に立ち向かうことを決意するのだが…。
【感想】怖いけど面白い!
全力でホラー映画だけど青春映画としての見ごたえも十分です。
個性豊かな子供たちの群像劇をホラーな物語で描いている映画でした。
ホラー映画としては普通に怖い!何度も劇場内で鳥肌が立ちました。
「ああ、このあと来るわ~、ピエロ来るわ~」って分かっていても怖い!
そしてキモイ!笑
映像が綺麗なのでピエロや怪物たちの造形がリアルで気持ち悪いです。
だけど、スプラッター映画のようなグロさや直視できないほどの気持ち悪さとか、ショッキング過ぎる映像がないので非常に助かりました。
おかげで私のようにホラー苦手な人でも十分楽しめます。
グロテスク過ぎる映像があると私は観れないので。
しっかり全力でホラー映画なのですが、同時に全力で少年少女の青春物語です。
青春映画としての方が面白いです。
自分の少年時代を思い出したりなんかして、甘酸っぱい気持ちになれます。
何気に泣けるし。
劇場では誰も泣いる気配はなかったですが。
主人公ビルの仲間たちは不良少年に虐められてる、いわゆる「負け犬」たちです。
それぞれの悩みを抱えていてキャラクターがしっかり立っています。
もう子供たちはみんなかわいい!
虐められながらも全力で少年時代を謳歌してる姿が微笑ましく思えて、
昔に戻りたいようなノスタルジーを感じました。
そんな思春期真っただ中の少年グループに紅一点のビバリーちゃんが加入します。
これがまた、大人びた女の子なんですね。
男子がみんなメロメロにされてる感じです。
もうそこから甘酸っぱい恋心とか男子の関心がビバリーに注がれる思春期特有のニヤニヤしちゃう展開になります。
下手な恋愛映画よりよっぽどドキドキできますよ。
そんな青春劇の合間合間で、それぞれ一人ずつ“それ”と遭遇して恐怖に陥ります。
そのホラー部分と青春劇のバランスが絶妙で、怖すぎずに見続けられるんです。
淡い恋心や友情、対いじめっ子への対抗なんかを通して、ちょっとずつ成長する少年たちが本当に可愛かった。
子役たちがみんな凄く良かったです。
子役が生き生きとしてるからこそ成り立ってる映画じゃないかと思います。
ちなみにキモ恐ろしい本作のピエロ。
実はこいつ結構かわいいです!
最初にこいつが喋った時は一人で吹き出しそうなくらい面白かったです。
声が高けぇ~!笑
動きはいちいち気持ち悪いくせに、下手にユーモアがあって笑えます。
ダークナイトの『ジョーカー』ばりのインパクトがあるピエロでした。
ホラー映画でのNO.1ヒットっていうのもうなずけます。
ホラーが苦手な方でもかなり楽しめる青春映画、一見の価値あり。